重松清さんの講演「はやくしなさい!」と仲直り

重松清さんの講演を聞いてきた。

重松清さんの本との出会いは、もう10年くらい前になるだろうか、彼女(今の妻)を車で家まで送ってその帰りに何気なくつけたラジオで定年ゴジラ (講談社文庫)の朗読をきいて、その続きが気になって買って読んだのが最初。

その後、立ち寄った本屋さんで見つけては買って読んでいた。いじめや自殺について扱った

などの重い作品も好きだけど、読み続けているのは

という作品に出会ったから。

基本的には家族や友達の話が多い。どこにでもありそうで、いつか自分も似た状況になりそう、苦しいけどがんばっていて、万事解決とはいかないけど光は見える、そんな作品が多いように思う。元気がないときや生きている意味を見失ってしまったとき、あるいは勘違いしていそうなときに読むと、しみ込むように体に入ってきて、またがんばろう、という気にさせてくれる。

実はこのラジオでの出会いまでは、あまり小説を読むことは無かった。全く読まないということは無いけど、日本の作家で、作家名で探して読む、ということはまず無かった。実は今でも重松清さんしかない。もちろん読むきっかけがないというだけで、好きじゃないから読んでいないということではないので、お勧めの作家さんがいたら教えてくれると嬉しかったりする。

と、本題に入る前までが長くなってしまったが、講演の内容はとてもよかった。
内容はこんな感じ。(テープからおこしたわけでもないし、一日置いて勝手な自分の思いも入っていると思うので、これが全てではないし多少内容も変わってしまっているかもしれないけど、その辺は割り引いて読んでください。)

・多様性が認められる時代になった
 ・それにより選択肢が増えた
 ・迷うことが多くなった。エアコン一つでも迷う、そして直前で判断を変えたり、買った後も後悔したり。
 ・子どもたちも迷う
  ・ファミレスのメニュー選びでも迷う
  ・最近の親が使う一番多い言葉は「はやくしなさい」(昔は「普通は・・」)
  ・「はやく」と言わないであげてほしい
  ・「はやく」と言われると選択することをやめて親などに任せてしまう
   「なんでもいい」「お母さん決めて」
  ・自分で選択していないものは選択した人の責任にできる、したくなる
  ・人生の選択についても同様のことがいえる

・子どもたちが小さなけんかをする機会が減った
 ・一人っ子が増えた
 ・一人っ子でも意識的に小さな子同士で一緒にいられる機会をつくってあげて欲しい
 ・けんかをすると仲直りをする、この仲直りをするという経験が減ってしまった
 ・とても仲のいい友達がたった一回のけんかから傷害に発展することも
 ・仲直りができないのでけんかができない
  ・友達に本音でぶつかれない
  ・本当の友達ができず、友達がたくさんいても寂しい
  ・友達といると気を使う、一人になると気が抜けて楽になる
 ・小さい頃からけんかを経験しいろんな仲直りのパターンを経験させてほしい
 ・自分の本はいろんな「仲直り」を書いている

その他、
 ・多様性が認められるようになったが、悪気はないのだけど偏見はある
  「両親が働いていて家に帰ってくると誰もいないのはかわいそう」
  「一人っ子はわがまま」
  ・これらは想像力の欠如。想像力は重要。
 ・本もたくさん読んでほしい
  ・古今東西のいろんな人が同じ悩みをもっていると思うと少し気が楽になる
という話もあった。

おおまかにいうとこんな感じの内容だったと思う。

自分にとってはとても有意義な内容だった。本や講演は読んだり聞いたりしても時間が経つとだんだんと忘れてしまうのだけど、今回のキーワードは勝手に「多様性」「はやくしなさい」と「仲直り」3つだと思っていて、この2つの言葉だったら忘れないでいられそう。(ちなみに重松清さん自身は「多様性」という言葉は一度も使っていない。)このそれぞれのキーワードを思い浮かべればいろいろと思い出したり、頭の中で発展させることができそう。

ちなみに講演会を聞いている間の約2時間、妻は近くの公園で子どもたち4人をみてくれていた。本当は一緒に聞きたかったのだけど、子供はまずそうな雰囲気だったので私だけが聞くことになった。慌ただしい日常の中、さらに私の仕事が忙しいので、なかなか妻とゆっくり話す機会が持てない。でも、今日はこの講演の様子や内容を伝えてあげよう。

あらたまって面と向かっては言いづらいのだけど、いつもありがとう。感謝してるよ。

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